ノンフィクションにご注意を
私以上にパニックになっている様子の許斐君の声を受け、私達はテーブルを囲む。


私の左隣にお母さんで、その真向かいに巌さんで、巌さんの左隣…つまり私の真向かいが許斐君。


「礼於、まずこの人が父さんが今交際している溝渕 芙美さんだよ」


「初めまして、礼於君。溝渕 芙美です」


「えっ!?“溝渕”って……えっ!?」


許斐君は会釈したお母さんを凝視した後、ハイスピードで私達母子を見比べ始めた。


どうやら許斐君も父親に恋人がいる事実は知ってたけど、お母さんの名字まで知らなかったらしい。


「それで、こっちが私の娘の摩友子」
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