【短編】ホワイトデーには花束を、オレンジデーには甘いキスを(三人称)
あまりにも堂々と言われ、佳織は逆手に考えた。
(きっと課長は慣れてるんだ、女の子にこんなことするのは)
私だけじゃない、きっと誰にでも……。
軽く流そう、そう思考を切り替えて、佳織は軽口を叩くことにした。
「そんなにすごい顔して仕事してますか?」
「仕事中の真剣な真船も素敵だと思うよ。でもプライベートな真船ももっと知りたいんだ」
しかし、課長にかわされてしまう。そんな風に言われて、佳織はもう我慢がならなかった。
(からかうなら、もう、やめてほしい。期待してしまうじゃない)
「課長。冗談はそれくらいで……」
「冗談なんかじゃないよ。仕事に真剣に取り組む君もプライベートで頬を染める君も独り占めしたいんだけどね」
「え……?」
「意味、分かるか?」
課長はぐいと屈むようにして佳織の顔に自分の顔を近づけた。頬が触れあうどころではない、間違えば唇が触れてしまうほどの至近距離だ。佳織の瞳を射抜くように見つめる課長。それは真剣そのものだ。それって、それって……。視界が突如揺れて、課長の顔がにじむ。佳織は自分の瞳が涙でいっぱいになっていることに気付いた。
「か、からかわないでくだい。課長……私、私は……」
「ん? おい、どうした?」
(きっと課長は慣れてるんだ、女の子にこんなことするのは)
私だけじゃない、きっと誰にでも……。
軽く流そう、そう思考を切り替えて、佳織は軽口を叩くことにした。
「そんなにすごい顔して仕事してますか?」
「仕事中の真剣な真船も素敵だと思うよ。でもプライベートな真船ももっと知りたいんだ」
しかし、課長にかわされてしまう。そんな風に言われて、佳織はもう我慢がならなかった。
(からかうなら、もう、やめてほしい。期待してしまうじゃない)
「課長。冗談はそれくらいで……」
「冗談なんかじゃないよ。仕事に真剣に取り組む君もプライベートで頬を染める君も独り占めしたいんだけどね」
「え……?」
「意味、分かるか?」
課長はぐいと屈むようにして佳織の顔に自分の顔を近づけた。頬が触れあうどころではない、間違えば唇が触れてしまうほどの至近距離だ。佳織の瞳を射抜くように見つめる課長。それは真剣そのものだ。それって、それって……。視界が突如揺れて、課長の顔がにじむ。佳織は自分の瞳が涙でいっぱいになっていることに気付いた。
「か、からかわないでくだい。課長……私、私は……」
「ん? おい、どうした?」