【短編】ホワイトデーには花束を、オレンジデーには甘いキスを(三人称)
見つめ合い、どちらからも目をそらすこともできず、しばらくそのままでいたが、背後からの別の乗客がふたりを邪魔そうに通り過ぎたので、ようやく離れて歩き出した。
*―*―*
その翌日だった。
いつも通り出勤するとどことなく張り詰めた空気を感じた。佳織がオフィスに入った途端にピタリと止む私語、ちらりと向けられる視線は佳織が合わせようとするとそらされた。
席に着くと先に出勤していた萌絵が挨拶してくれた。
「佳織おはよ」
「おはよう」
「なんか今日、空気おかしくない?」
「うん……」
萌絵と気持ちを共有できて安堵するも、萌絵は明るく笑みを浮かべていた。
(え? ここ笑うところ?)
「誰かさんが空気おかしくしてるんだよね」
萌絵は佳織をにらみつけた。顔立ちがハッキリしているだけに迫力はある。その迫力に佳織の背筋は凍った。
パシン。乾いた音とともに頬に痛みが走る。萌絵に叩かれていた。思わず頬を押さえる。
*―*―*
その翌日だった。
いつも通り出勤するとどことなく張り詰めた空気を感じた。佳織がオフィスに入った途端にピタリと止む私語、ちらりと向けられる視線は佳織が合わせようとするとそらされた。
席に着くと先に出勤していた萌絵が挨拶してくれた。
「佳織おはよ」
「おはよう」
「なんか今日、空気おかしくない?」
「うん……」
萌絵と気持ちを共有できて安堵するも、萌絵は明るく笑みを浮かべていた。
(え? ここ笑うところ?)
「誰かさんが空気おかしくしてるんだよね」
萌絵は佳織をにらみつけた。顔立ちがハッキリしているだけに迫力はある。その迫力に佳織の背筋は凍った。
パシン。乾いた音とともに頬に痛みが走る。萌絵に叩かれていた。思わず頬を押さえる。