幼なじみの優しい彼 2
「海、大丈夫?」

心配でたまらなくて、おそるおそる声をかけ彼の手をそっと握った。

彼はハッとしたように私の方を向き、力なく笑う。

「ごめん、なんか俺、勘違いしてたみたい。太一も、わるい」

「い、いいや、いいってことよー。さ、さ、みんなで教室いこうぜっ」

太一くんは、この場の雰囲気を和ませようとしたのかわざと、おどけた口調で言って、海の肩を抱きながら歩きだした。

左側に私、右には太一くんに囲まれて、海ははにかんだように、ちょっとだけ笑う。
< 20 / 45 >

この作品をシェア

pagetop