幼なじみの優しい彼 2
気づかない顔をして、階段を降りるため足を一歩踏み出すと段ボールが揺れて中のビーカーがガチャガチャ音を立てたので、慌てた私は階段を踏み外してしまう。

「キャッ」

グラッと体が揺れて、落ちるって思ったけど、後ろから強い力で抱き寄せられたので真っ逆さまに階段を転がっていかずに済んだ。

段ボールも大きな手にしっかりと支えられて急に軽くなる。

「セーフ。大丈夫?ヒカリ」

「海」

海は私の背中にぴったりとくっついていいたので、顔がカッと熱くなった。

意外にたくましい彼の上半身にときめいてしまう。

「ヒカリ小さいんだからこんな大きな荷物1人じゃ無理だよ」

「うん」

「俺に言ってくれたらよかったのに」

「・・・・」

優しく顔を覗き込まれるけど、私はすぐに俯いてしまう。

午前中に喧嘩をしてしまったので、意地になってましたとは言えない。
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