初恋をもう一度。【完】
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日曜日、家族で近くのショッピングモールに買い物に出かけた。
ショッピングモールには楽器屋さんがあるし、お昼も外食だから、わたしは喜んでついて行く。
お昼ごはんにふわふわのオムライスを食べた。
そのあと、お父さんがワイシャツやネクタイを買っている間に、わたしはおばあちゃんと楽器屋さんに行った。
今日は、買おうと決めている楽譜があった。
ラヴェルの『亡き王女の為のパヴァーヌ』だ。
この間読んだ小説に出てきて、ネットで探して聞いて見たら、すごく素敵な曲だったから、弾けるようになりたいと思ったのだ。
楽譜を読むのはとても苦手。
ト音記号は大丈夫だけれど、ヘ音記号はドの位置から離れすぎると、指で数えないとわからない。
だから本当は、耳で聴いた通りに弾く方が早い。
かと言って、耳で全部聴き取って覚えるのは大変だし、和音だとわからない所もある。
結局、楽譜は必要なのだ。