【完】浮気という名を心の片隅に
「どうしましたか…?顔赤いですよ?」

そう言い彼の手が私のおでこに触れた。

その瞬間、私は心臓が一瞬止まったかのよう

な苦しい感覚を覚えた。

何…、これ?

でも、それは呼吸が出来なくなるとかそうい

う苦しいではなかった。

触れた部分だけ、もっと熱く感じる。

「あ…、あのね。」

「ん?何ですか?」

少し首を傾げるその仕草も、心を奪ってしま

うくらい可愛く見えてしまった。

「佐久間くんの…、せいだよ…。」

「…え?」

「私がこんなに顔を赤くして、戸惑ってるの

は佐久間くんのせいだよ!?」

「………。」

私は、その言葉を吐いたあと血の気が引く音

がした。

私、今なんて言った……?

(私が赤く……、!?)

もう、私はその場にいるのが限界になり急い

で走り去った。
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