魔法の鍵と隻眼の姫
「ヴァルミラさまも貴方のお父上も貴方を守りたかった。あなたにはヴァルミラさまの加護が付いてます。お気づきになりませんか?」
「え?」
何の事だかさっぱりわからないラミンは横に首を振った。
寝耳に水なことばかりで頭が混乱する。
「夢見で何度も警告をしていたと思いますよ?モリスデン殿に見つからないように」
「あ、あの夢…?」
モリスデンに見つかってからは一度も見ていなかった12の頃突然夢に出てきた恐ろしい光景が浮かぶ。
逃げろ、掴まってはならぬ、逃げ延びろ…という声がして、赤い光の中から、手が伸びてきて自分を捕まえようとする夢だ。
酷い恐怖に慄き逃げ続けていたがあれは魔女の警告だったのか…
それに父も苦渋の表情で勘当を申し渡しておきながら最後に必ず生き延びろと言われた。
勘当とは後は野垂れ死のうがどうしようが意に介さないものだろうに最後に父としての顔が出たものと思っていたが…。
ラミンは昔を思い起こし難しい顔をする。
「何故俺の身を守ろうと?」
「それはアドラード様の死が原因です。二度と自分の子が理不尽な死を遂げないために」
キースはまたお茶を口にし、あまり知られていないもう一つの伝承をお話ししましょう、とカップを置いた。
~~~
時は2000年前、王国を去ったヴァルミラは一人静かに迷いの森で暮らしていた。
ほどなくして生まれたアドラードは賢く勇敢でヴァルミラの教える魔法も剣の腕もみるみる上達していった。
好奇心旺盛な青年となったアドラードは人間世界を見てみたいと止めるヴァルミラを振り切り人間界へと足を踏み入れた。
そのころノアローズと名付けられた王国は少しづつ統制を築き上げ国王は揺るがない信頼の元人々から崇められていた。
隅から隅まで見て回ったアドラードは最後に王都を目指しそこで自分を剣呑な目で見る民衆を不思議に思いながら街を歩いていた。
アドラードの姿は長いローブに白銀の髪ブルーグリーンの瞳。
白銀の髪はかつての魔女を想い起こしそれを覚えている民衆は魔女の再来かと恐れ戦く。
ふらりと立ち寄った酒場でも遠巻きに自分を見てくる者達。
そんなのにも気に留めず飲んでいると、ふと、一人の若い娘が話しかけてきた。
「あなた珍しい髪色ね?なかなかいい男じゃない。そういえばなんだか少し国王様に似てるわね?」
魔女のことなど知らないうら若い娘は時折視察と称して街を歩く国王の顔を見ていた。
「へぇ?そんなに似てる?」
「ええ、その綺麗なブルーグリーンの瞳とか特に」
それを聞いたアドラードは国王に興味を持った。
魔女である母のヴァルミラからは父の事は一つも聞いたことが無い。
何度聞いても自分の出生を話たがろうとはしなかった。
国王に会えば自分が何者か分かる。
そう、確信した。
「え?」
何の事だかさっぱりわからないラミンは横に首を振った。
寝耳に水なことばかりで頭が混乱する。
「夢見で何度も警告をしていたと思いますよ?モリスデン殿に見つからないように」
「あ、あの夢…?」
モリスデンに見つかってからは一度も見ていなかった12の頃突然夢に出てきた恐ろしい光景が浮かぶ。
逃げろ、掴まってはならぬ、逃げ延びろ…という声がして、赤い光の中から、手が伸びてきて自分を捕まえようとする夢だ。
酷い恐怖に慄き逃げ続けていたがあれは魔女の警告だったのか…
それに父も苦渋の表情で勘当を申し渡しておきながら最後に必ず生き延びろと言われた。
勘当とは後は野垂れ死のうがどうしようが意に介さないものだろうに最後に父としての顔が出たものと思っていたが…。
ラミンは昔を思い起こし難しい顔をする。
「何故俺の身を守ろうと?」
「それはアドラード様の死が原因です。二度と自分の子が理不尽な死を遂げないために」
キースはまたお茶を口にし、あまり知られていないもう一つの伝承をお話ししましょう、とカップを置いた。
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時は2000年前、王国を去ったヴァルミラは一人静かに迷いの森で暮らしていた。
ほどなくして生まれたアドラードは賢く勇敢でヴァルミラの教える魔法も剣の腕もみるみる上達していった。
好奇心旺盛な青年となったアドラードは人間世界を見てみたいと止めるヴァルミラを振り切り人間界へと足を踏み入れた。
そのころノアローズと名付けられた王国は少しづつ統制を築き上げ国王は揺るがない信頼の元人々から崇められていた。
隅から隅まで見て回ったアドラードは最後に王都を目指しそこで自分を剣呑な目で見る民衆を不思議に思いながら街を歩いていた。
アドラードの姿は長いローブに白銀の髪ブルーグリーンの瞳。
白銀の髪はかつての魔女を想い起こしそれを覚えている民衆は魔女の再来かと恐れ戦く。
ふらりと立ち寄った酒場でも遠巻きに自分を見てくる者達。
そんなのにも気に留めず飲んでいると、ふと、一人の若い娘が話しかけてきた。
「あなた珍しい髪色ね?なかなかいい男じゃない。そういえばなんだか少し国王様に似てるわね?」
魔女のことなど知らないうら若い娘は時折視察と称して街を歩く国王の顔を見ていた。
「へぇ?そんなに似てる?」
「ええ、その綺麗なブルーグリーンの瞳とか特に」
それを聞いたアドラードは国王に興味を持った。
魔女である母のヴァルミラからは父の事は一つも聞いたことが無い。
何度聞いても自分の出生を話たがろうとはしなかった。
国王に会えば自分が何者か分かる。
そう、確信した。