魔法の鍵と隻眼の姫
確信を持ったアドラードは夜中に無謀にも王宮へと入り込んだ。
私室で手紙を書いていた国王は人の気配を感じ、何者だ!と鋭い目を窓辺に向けたが、陰からゆっくりと出てきた男に息を呑んだ。
白銀の髪、ブルーグリーンの瞳。
かつての愛した女性とも自分とも似ているようなその顔から目が離せなかった国王は立ち上がりゆっくりと近づく。
「お前が国王か?」
不躾な物言いで言ってくる男に気を悪くすることもなく僅かに頷いた国王は男の前に立つとまじまじと顔を見た。
僅かなランプの光が陰影を落とし相手もじっとこちらを見てくる。
「お前は、何者だ…」
静かに同じ質問を投げかけた国王は知らずにごくりと唾を飲みこんだ。
「俺はアドラード。大魔女ヴァルミラの息子だ」
それを聞いて目を見開いた国王は言葉もなくひしとアドラードを抱き締めた。
~~~
「魔女と、国王の子供?」
ラミンが目を剥く。
ミレイアも信じられないと片手で口を覆う。
「そうです。遠い遠い昔、ミレイア様とも私たちは血が繋がってると言うことですね」
頷くキースに信じられない思いでラミンとミレイアは目を合わせた。
まさかかつての国王と魔女の間に子がいたなど、誰も知る由が無い。
それを知った国王もひた隠しにしていたのだろう。
あれほど魔女との婚姻を阻止されたのだ。
知ってしまった民衆が何をするか分からない。命の危険だってある。
~~~
国王はアドラードに臣下としてこの王都に留まり我を助けよと言った。
その頃既に国王は王妃を迎え2人の王子がいた。
つい先ごろ王位継承は長子に譲ると法を定めたばかりだ。
アドラードが国王の息子だと知れたら王位継承にも問題が起こる。
だが、国王はあの時魔女の手を離してしまったことを後悔し懺悔の日々を送っていた。
息子が現れた今、手元に置いておきたいと願うのは自然なことだった。
ヴァルミラもできれば戻ってきてほしいと懇願したがそれは出来ぬとアドラードは首を振った。
母は二度と人里には現れぬ、と…。
国王と自分を引き裂いた人々を恨んでいたが自分が再び現れて混乱させるわけにはいかないとヴァルミラは二度と人々の前に姿を現さないと固く誓っていた。
結局母は人が好きなのだとアドラードは思っていた。
だから興味が沸いた。母の好きな人間とはどのようなものなのか、人間界に何があるのか。
アドラードは考えに考えた末、国王の傍に居ることを選んだ。
国中を旅してきてまだまだ発展途上な村々が大変な日々を過ごしていることを見てきたアドラードは国王の傍に居れば何かと役に立つことが出来ると、人の役に立ちたいとそう強く願った。
自分も人が好きなのだと…。
そして宰相の地位を得たアドラードは遺憾なくその能力を発揮し国に貢献した。
やがて人間の娘と恋に堕ち結婚、子を儲け代々王家の側近として宰相を務めることとなる。
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私室で手紙を書いていた国王は人の気配を感じ、何者だ!と鋭い目を窓辺に向けたが、陰からゆっくりと出てきた男に息を呑んだ。
白銀の髪、ブルーグリーンの瞳。
かつての愛した女性とも自分とも似ているようなその顔から目が離せなかった国王は立ち上がりゆっくりと近づく。
「お前が国王か?」
不躾な物言いで言ってくる男に気を悪くすることもなく僅かに頷いた国王は男の前に立つとまじまじと顔を見た。
僅かなランプの光が陰影を落とし相手もじっとこちらを見てくる。
「お前は、何者だ…」
静かに同じ質問を投げかけた国王は知らずにごくりと唾を飲みこんだ。
「俺はアドラード。大魔女ヴァルミラの息子だ」
それを聞いて目を見開いた国王は言葉もなくひしとアドラードを抱き締めた。
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「魔女と、国王の子供?」
ラミンが目を剥く。
ミレイアも信じられないと片手で口を覆う。
「そうです。遠い遠い昔、ミレイア様とも私たちは血が繋がってると言うことですね」
頷くキースに信じられない思いでラミンとミレイアは目を合わせた。
まさかかつての国王と魔女の間に子がいたなど、誰も知る由が無い。
それを知った国王もひた隠しにしていたのだろう。
あれほど魔女との婚姻を阻止されたのだ。
知ってしまった民衆が何をするか分からない。命の危険だってある。
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国王はアドラードに臣下としてこの王都に留まり我を助けよと言った。
その頃既に国王は王妃を迎え2人の王子がいた。
つい先ごろ王位継承は長子に譲ると法を定めたばかりだ。
アドラードが国王の息子だと知れたら王位継承にも問題が起こる。
だが、国王はあの時魔女の手を離してしまったことを後悔し懺悔の日々を送っていた。
息子が現れた今、手元に置いておきたいと願うのは自然なことだった。
ヴァルミラもできれば戻ってきてほしいと懇願したがそれは出来ぬとアドラードは首を振った。
母は二度と人里には現れぬ、と…。
国王と自分を引き裂いた人々を恨んでいたが自分が再び現れて混乱させるわけにはいかないとヴァルミラは二度と人々の前に姿を現さないと固く誓っていた。
結局母は人が好きなのだとアドラードは思っていた。
だから興味が沸いた。母の好きな人間とはどのようなものなのか、人間界に何があるのか。
アドラードは考えに考えた末、国王の傍に居ることを選んだ。
国中を旅してきてまだまだ発展途上な村々が大変な日々を過ごしていることを見てきたアドラードは国王の傍に居れば何かと役に立つことが出来ると、人の役に立ちたいとそう強く願った。
自分も人が好きなのだと…。
そして宰相の地位を得たアドラードは遺憾なくその能力を発揮し国に貢献した。
やがて人間の娘と恋に堕ち結婚、子を儲け代々王家の側近として宰相を務めることとなる。
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