魔法の鍵と隻眼の姫
………
ベッドの背によしかかって二人寄り添い、肩を抱いたラミンは今までの事をもう一度ミレイアに聞かせた。
先ほどの眠って無反応だったのとはうってかわり、うんうん頷いたり、クスクス笑ったり、キラキラした瞳で見つめてくるミレイアに感無量のラミンは言葉を途切れさせ、その紫の瞳を見つめ返した。
そして、ほっそりとしてしまった頬に手を添える。
「…痩せたな…体は大丈夫か?」
「ええ、少し気だるい感じはあるけど大丈夫」
眠っている間はモリスデンが体調管理をし、王妃が身の周りの世話をしていた。
眠っていてもそれは感じ取っていたミレイアは心の中で感謝している。
「お前の話を聞かせろよ。眠っている間、お前の魂は何処にいたんだ?」
頬に触れる温かい手に自分の手を添えにこりと笑い、ラミンの揺れる瞳を見つめ少し考えたミレイアは口を開く。
「そうね…気付いたら広い花畑を歩いていたの。一面真っ白でいい香りがして、でもどこまで行っても花畑と青空しかないから、歩き疲れちゃって座り込んで花の香りを楽しんで、ずっとそこに居たわ。それと、ヴァルミラさまに会ったの」
「ヴァルミラに?」
「そう、自分ではわからなかったけど、私は自分で自分に呪いを掛けたと言っていたわ。ラミンを待ってたのはそのせい」
「…そうか…待たせて悪かったな…」
「言ったでしょ?時間が必要だったの。待つのは辛くなかったわ」
頬に触れてた手が落ち、ラミンがしゅんと俯くと白銀の髪がはらりと落ち、ミレイアがそれにそっと触れる。
「ラミン、髪が伸びたわね?」
「…ああ、あれから一度も切っていない。髪には力が宿ると言っていただろ?俺には魔力は無いが、願掛けしていた。お前が目覚めるまではと…」
自分で言っていてなんて女々しいことしてんだと恥ずかしくなったラミンは言葉を詰まらせ、顔を背け拳で口元を隠す。
ミレイアが目覚めないと知った時も涙は出なかったのに、さっきは止めどなく涙が溢れミレイアに泣き顔を見せてしまったことも思い出し男として情けなくなる。
耳を赤くし照れる横顔が可愛くてフフッと笑ったミレイアはさらに白銀の髪をすくように撫でた。
「ラミンの白銀の髪、とっても綺麗で好きよ」
「…お前の黒髪の方が綺麗だ。…ミレイア…」
ラミンはミレイアの髪に手を入れ撫でると、その手で顎をすくいさくらんぼのような唇に近付いた。
吐息が触れ合いお互いに目を伏せた時、コンコン…とドアがノックが聞こえ、触れる寸前でピタリと止まる。
ベッドの背によしかかって二人寄り添い、肩を抱いたラミンは今までの事をもう一度ミレイアに聞かせた。
先ほどの眠って無反応だったのとはうってかわり、うんうん頷いたり、クスクス笑ったり、キラキラした瞳で見つめてくるミレイアに感無量のラミンは言葉を途切れさせ、その紫の瞳を見つめ返した。
そして、ほっそりとしてしまった頬に手を添える。
「…痩せたな…体は大丈夫か?」
「ええ、少し気だるい感じはあるけど大丈夫」
眠っている間はモリスデンが体調管理をし、王妃が身の周りの世話をしていた。
眠っていてもそれは感じ取っていたミレイアは心の中で感謝している。
「お前の話を聞かせろよ。眠っている間、お前の魂は何処にいたんだ?」
頬に触れる温かい手に自分の手を添えにこりと笑い、ラミンの揺れる瞳を見つめ少し考えたミレイアは口を開く。
「そうね…気付いたら広い花畑を歩いていたの。一面真っ白でいい香りがして、でもどこまで行っても花畑と青空しかないから、歩き疲れちゃって座り込んで花の香りを楽しんで、ずっとそこに居たわ。それと、ヴァルミラさまに会ったの」
「ヴァルミラに?」
「そう、自分ではわからなかったけど、私は自分で自分に呪いを掛けたと言っていたわ。ラミンを待ってたのはそのせい」
「…そうか…待たせて悪かったな…」
「言ったでしょ?時間が必要だったの。待つのは辛くなかったわ」
頬に触れてた手が落ち、ラミンがしゅんと俯くと白銀の髪がはらりと落ち、ミレイアがそれにそっと触れる。
「ラミン、髪が伸びたわね?」
「…ああ、あれから一度も切っていない。髪には力が宿ると言っていただろ?俺には魔力は無いが、願掛けしていた。お前が目覚めるまではと…」
自分で言っていてなんて女々しいことしてんだと恥ずかしくなったラミンは言葉を詰まらせ、顔を背け拳で口元を隠す。
ミレイアが目覚めないと知った時も涙は出なかったのに、さっきは止めどなく涙が溢れミレイアに泣き顔を見せてしまったことも思い出し男として情けなくなる。
耳を赤くし照れる横顔が可愛くてフフッと笑ったミレイアはさらに白銀の髪をすくように撫でた。
「ラミンの白銀の髪、とっても綺麗で好きよ」
「…お前の黒髪の方が綺麗だ。…ミレイア…」
ラミンはミレイアの髪に手を入れ撫でると、その手で顎をすくいさくらんぼのような唇に近付いた。
吐息が触れ合いお互いに目を伏せた時、コンコン…とドアがノックが聞こえ、触れる寸前でピタリと止まる。