氷のような彼は陽だまりのように暖かい
ー薫sideー

隣で安心したように眠る由菜を見る。

あの時、あの場所で彼女と目が会った瞬間、時が止まった感覚に陥った。

全てを諦めたような光を失った眼に何故か惹かれた。

生まれた時から極道として育ってきた俺にとって、あんなふうになった女は珍しい訳でもないし見慣れている。

それなのに、彼女だけはどこか違った。

傷ついた彼女の心を、癒してやりたい。

どこからか溢れだしてくる感情が流れ出して止まらない。

誰よりも大切に優しくてやりたい。

そんなことを思いながら、俺の隣で眠る彼女を抱き寄せた。

ー薫side endー
< 20 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop