駆け落ちする電車の中で
その言葉ひとつで、私は大毅と恋に落ちた。
真凛への裏切り行為であることはわかっていた。
でも大毅への気持ちが抑えられなくなっていった。
私たちは真凛を欺いて半年もの間逢瀬を重ね、愛を育んだ。
そしてとうとう、それが明るみに出るときがやってきたのだ。
『明日香、これどういうこと』
大毅との待ち合わせ場所であるカフェに現れた真凛は、私と大毅のメッセージのやりとりをつきつける。
『大毅とできてたの!?』
鬼の形相で私を問い詰める真凛に、私は下を向いたままなにも言えなかった。
『信じらんない…!大毅と別れて!大毅にとったら明日香のことなんて遊びに決まってるんだから!そうに決まってる』
真凛にその言葉に、私は黙っていられなくなり椅子から立ち上がる。
『…違う。大毅と私は愛し合ってるの!大毅は真凛より私の方が好きっていってくれたんだから!私は絶対別れない!』
そう告げて私はカフェを飛び出した。
カフェを離れてから私は携帯を取りだし、大毅に電話を掛ける。
電話に出た大毅に、私は告げた。
『大毅、私たち駆け落ちしよう』