駆け落ちする電車の中で
それで今に至るのだ。
「電車から海が見えるなんて贅沢だよな」
「本当よね」
私は大毅の肩に顔を寄せて、二人で海を眺める。
これでもう、誰にも何も言われずに堂々と大毅と並んで歩くことができる。
なんて幸せなんだろう。
これで大毅は私のものだ。
「なあ、明日香」
「うん?」
「明日香にずっと黙っていたことがあるんだけど」
「黙っていたこと?」
私は顔をあげて大毅と向き合う。
「俺…借金があってさ」
「え、借金?」
突然の告白に私は目を丸くする。
確かに、大毅は競馬好きでたまにお金を貸していたけれど、借金があるなんて初耳だ。
でもきっと、多くても数十万とかよね。
それくらいなら私の貯金で返済できる。
私が全然肩代わりできるわ。