白雨の騎士

「…どうしたのよソフィア」

グイグイとアリスの手を引くソフィア。

ソフィアはなんだか少し困ったような顔をしている。


「…見れば分かります。」


部屋のドアを開けると、机の前に誰か男の人が立っていた。

振り返りその顔を見た途端、アリスは深く溜息をついた。


「アラン……」


「久しぶりだな、アリス。」



アランと呼ばれた男は、少し癖っ毛の漆黒の髪、そして髪と同じ色の瞳に、顔はどこか幼く見えるのは大きな瞳と男のくせにやたら長いまつ毛のせいだろうか。。羽織っている深緑のローブは裾が少し汚れていた。


「…アラン。また突然帰って来たわね。」


アリスはソファに腰掛けて頬に手をつくと呆れながら言った。


「ちょっと用ができてな。」


「また縁談を断りに来たの?」


アリスの言葉にアランは少し驚いた顔をした。
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