白雨の騎士

ローズの部屋を出ると、シドはふぅと一息ついた。

慣れない場に少し肩が凝った。

しかし、楽しそうなローズの顔が見れて良かったとシドは思った。


自室に戻ろうと廊下を歩いていたら前方からアリスとソフィアがやって来た。


「…アリス様」

シドは足を止めて頭を下げた。


「シド。今日は休みだったわね。」


「はい。明日からまた宜しくお願いします。」


アリスはシドに何か言いたげな顔をしたが、何も言わずにその場を後にした。

ソフィアは、ギュッと手を握るアリスを見て、ふぅと溜息をついた。


その頃、誕生日会が終わり訪れた人達がようやく皆んな帰った後、ローズが部屋でお茶を飲んでいると父親のアルベルトがやって来た。


「お父様、どうしたの?」


アルベルトはゆっくりとローズの隣に腰掛けた。


「…お前の、縁談が決まった。」


アルベルトの言葉にアリスはティーカップを落とそうになった。


「ロドイン家の長男、ネイト様だ。」


ローズは父親の言葉に手が震えた。


「お父様…私まだ、15になったばかりよ…結婚だなんて、早すぎる……」


ローズの目に涙が浮かんだ。アルベルトは暫く黙ると立ち上がった。


「…ロドイン家は我が家同様の名家だ。お前の相手として何も不足はない。詳しいことは明日、話をしよう。」


そう言って、アルベルトはローズの部屋を後にした。
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