白雨の騎士

今夜はアリスとミラの夕食会があるのでその会場にシドとアンナは向かった。


「アンナ隊長、光の力ってどんなものなんですか?」


「ウォルドーフ家に代々受け継がれる力だ。ハデス家の闇の力より強いが、ウォルドーフ家でもその力を持って生まれる者はごく僅かと言われていた。光の力があれば闇の力は封じ込める事が出来るが、今はもうウォルドーフ家の生き残りはいない。」

アリスは足を止めて中庭を見渡した。


「…昔、この城の庭師がウォルドーフ家の人間だった。森の中の小さな小屋を作ったりして、幼い頃のアリス様と仲が良かった。まぁ彼も光の力は持っていなかったようだが。」


あの小屋…至る所に同じ模様がたくさん描かれていた。

シドはアリスに連れられてあの小屋に入った時のことを思い出した。
あれは、ウォルドーフ家の紋章だったのかもしれない。


「さぁ、そろそろ夕食会が始まる」


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