偽物の恋をきみにあげる【完】
「そうなの? なんで?」

「運命ってさ、いわゆる1本のレールでしょ」

「まあ……そうっちゃそうだね」

「瑠奈、銀河鉄道読んだことある?」

「ん? あー、アニメのやつなら」

私がそう答えると、「ネコのやつね」と大雅は言った。

ん? ネコのやつってなんだろ。

「運命って、銀河鉄道みたいなもん。乗ったら最後、終点は変わらない。途中でどんなことがあっても、何を感じても、結局最後はカンパネルラとお別れ。この切なさとやるせなさ、わかる?」

……あれ? なんか、これって。

コタローくんっぽい。

「…………」

「ねー、ちゃんと聞いてる?」

「えっ? ……ああ、うん」

もちろん聞いていた。

けれど、大いに戸惑ってしまったのだ。

不意に……コタローくんもきっと同じことを言うのではないかと思ったから。

確か、コタローくんの連載『ジオラマオアシス』の中で、誰かがとてもよく似たセリフを言っていた気がする。

……でも、だからって。

大雅にコタローくんを重ねるなんて、私の頭はとうとう錯乱したのかもしれない。

馬鹿馬鹿しい。

喜多野課長とコタローくんの方が、まだまともだ。

大雅とコタローくんじゃ、まるで違い過ぎる。
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