偽物の恋をきみにあげる【完】
ただ、その笑顔があまりにも綺麗だったから、私は急に、今更ながら、何故コイツは私といるのだろう? と不思議に思った。

「ね、なんで私なの?」

その疑問を口にしたら、大雅はキョトンとした表情をした。

「え、なんの話?」

「んーなんかね……大雅ならいい女いくらでも掴まえられそうなのに、わざわざ私なんかと恋人ゴッコしなくてもなあって」

「あーそゆことね」

大雅はふっ、と鼻で笑った。

「ま、確かに美人でもねーし、特別可愛くもねーし、てか顔まるいし、おっぱいもちっちゃいよね」

「わー辛辣。事実だから受け止めるけどー」

「否定されても困るけどな」

「やっぱムカつく」

口を尖らせた私に、大雅は軽くキスをした。

「てか恋人ゴッコ、瑠奈じゃないと意味ないし」

「私じゃないと意味ない? なんで?」

「さあね。俺がお前と恋愛したいからじゃん?」

なんだそれ。

「だったら……んっ」

だったら、ゴッコじゃなくて本当に恋愛すればいいのに。

そう言おうとしたら、唇をきつく塞がれた。

まるで、続きを言わせないみたいに。

私達はどうして、ゴッコじゃないと駄目なのだろう。
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