偽物の恋をきみにあげる【完】
翌日の昼休み。
いつものように社員食堂に向かおうと席を立った所で、
「あ、及川さん」
コタローくんの声が私を呼び止めたので、一瞬本気でドキリとしてしまった。
が、もちろんそれはコタローくんではなく、喜多野課長の声。
文字を喜多野課長の声で再生させ過ぎて、脳がバグってきたらしい。
今日は朝からコタローくんのプレゼントが気になっているので、尚更過敏に反応してしまった。
「はい、何でしょうか」
チームが別なので、仕事中に喜多野課長に呼ばれることなど殆どない私は、呼ばれる心当たりもなく、少し緊張しながら返事をする。
「今日は午後から、僕のチームのお仕事を少し手伝ってもらうので、よろしくお願いします」
「え、あ、そうなんですか? 」
私なんかに他のチームの手伝いができるのか、大いに疑問だ。
でも、きっと手が空いているのは、私か派遣の子達くらいなのだろう。
その派遣の子達は、午後から契約更新の面談があると、朝話していた気がする。
それに、私は午後から大した業務もなく、殆どただの電話番になる予定だったので、他のチームの仕事の手伝いを振られるのも納得だ。
「わかりました、よろしくお願いします」
私が言うと課長は「いえ、こちらこそ」と、相変わらず端正な笑みをこちらに向けた。
いつものように社員食堂に向かおうと席を立った所で、
「あ、及川さん」
コタローくんの声が私を呼び止めたので、一瞬本気でドキリとしてしまった。
が、もちろんそれはコタローくんではなく、喜多野課長の声。
文字を喜多野課長の声で再生させ過ぎて、脳がバグってきたらしい。
今日は朝からコタローくんのプレゼントが気になっているので、尚更過敏に反応してしまった。
「はい、何でしょうか」
チームが別なので、仕事中に喜多野課長に呼ばれることなど殆どない私は、呼ばれる心当たりもなく、少し緊張しながら返事をする。
「今日は午後から、僕のチームのお仕事を少し手伝ってもらうので、よろしくお願いします」
「え、あ、そうなんですか? 」
私なんかに他のチームの手伝いができるのか、大いに疑問だ。
でも、きっと手が空いているのは、私か派遣の子達くらいなのだろう。
その派遣の子達は、午後から契約更新の面談があると、朝話していた気がする。
それに、私は午後から大した業務もなく、殆どただの電話番になる予定だったので、他のチームの仕事の手伝いを振られるのも納得だ。
「わかりました、よろしくお願いします」
私が言うと課長は「いえ、こちらこそ」と、相変わらず端正な笑みをこちらに向けた。