偽物の恋をきみにあげる【完】

「じゃあ、ゲームをしようか」

ぼくはふと思いついて、そう提案した。

『ゲーム?』

「ぼくはきみに会いに行く。だからきみは、ぼくを見つけて」

『見つける? 顔も声も何もわからないのに?』

「期限は10日間」

『そんなの、むりに決まってる』

「見つけたらハッピーエンドだよ」

『もし見つけられなかったら?』

「大丈夫。きみはぼくをぜったいに見つけてくれる。しんじてるよ、じゃあね」

ぼくは一方的に終わらせて、パソコンを閉じた。

今頃きみは音信不通になったパソコンの前で、口をとがらせているかもしれない。

そう思うと愛おしくて、今すぐにきみを抱きしめたくなった。
< 121 / 216 >

この作品をシェア

pagetop