偽物の恋をきみにあげる【完】
そんないじり方、ある?

さすがに偶然?

いや、でも、ありえないことはない。

よく考えれば、私のペンネームだって、まさにそんないじり方だ。

……いや、だけど。

なんで、え、だって。

口調も性格も何もかも違う。

この2人に共通点なんてなにもないはず……。

『夜11時』

その考えを否定するかのように、頭の中に2人を結ぶ言葉が浮かんだ。


夜11時、忙しい、20代、独身、ルール違反、世界の終わり、おじいちゃん、半年……


私が知っている人、私の身近にいる人。

私に触れたことがある人。

私の笑った顔も、口を尖らせた顔も知っている人。


『会いに行くよ』

「会いに来てやったぜ」



そんな馬鹿げた話、あるんだろうか?

コタローくんが…………大雅だなんて。
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