偽物の恋をきみにあげる【完】
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ある日の夜、大雅からコタローくん名義のDMが届いた。

『つーちゃん、こんばんは^^』

その書き出しに思わず笑みが零れる。

『治療の副作用がね、実は結構キツくてさ。なかなか連絡できなくてごめんね(;´д`)

体調はどう? 俺のベビーは元気?
ちなみに俺の息子は元気だぜ(*ノω・*)テヘ
いや、瑠奈にハメたくて泣いてるわ笑

あ、明日ついに手術。手術なんて生まれて初めてで、ちとびびってる((( ;゚Д゚)))
てか正直、まじで怖い。

でも……。
たぶん大丈夫じゃん?

だって俺ら、10年ぶりに、あんな奇跡みたいな再会したんだよ? あの確率に比べたら、手術の成功率の方が高いんじゃね?笑

だからお前は、お腹のベビーと一緒に、俺の帰りを待ってなさい。
ちゃんと治して、迎え行ってやるから。

もしダメだったら……ドンマイ!笑
金持ちでも掴まえて養ってもらえや……って瑠奈じゃムリか! (*´艸`)ププ

子供のこと、うちの親には話したから、いくらでも頼っていいよ。
これオカンの番号な。090XXXXXXXX

あ、そうだ!
俺のジッポ、ちゃんと大事に持ってる? あれ、月のデザインなんだよ、気づいた?
俺の宝物だから失くすなよ。

治ったらカレー食いてー。

あ、でもここで一句。
治ったら まず瑠奈ちゃんを 食べちゃうぞ☆

こんなのが辞世の句になったらシャレにならんから、まじがんばります笑

とりあえず2人とも、いい子で待ってろ。

んじゃ、またな!

めちゃくちゃ愛してる』
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