偽物の恋をきみにあげる【完】
そもそも、どうして私達はこんな関係になったのだろう。

裸で大雅と抱き合い、激しく舌を絡めながらも、頭だけはどこか冴えている私は、ふとそんなことを考える。

再会したあの日の夜、私は泥酔していて殆ど記憶がない。

気付いたらホテルで、彼とセックスしていた。

あの夜、私と大雅はバーでどんな会話をしたのだろう。

どういう流れでラブホテルに行ったのだろうか。

誘ったのはどっち?

『もし…………たら……俺…………れる?』

不意に、大雅の断片的な声が頭を過ぎった。

これはあの日の記憶なのだろうか。

もし……なんだろう? もし……。

「ああんっ!」

彼が予告もなしに秘部に指を滑らせるから、私は思わず身をよじった。

「……瑠奈、今考え事してただろ」

ちょっと拗ねたように、大雅は唇を尖らす。

「俺だけ見ててくんなきゃやだ」

そんなことを言うから、私はこれを恋愛と錯覚してしまうのだ。

大雅はズルい。

カラダだけじゃなく、心も要求する。

私には、くれないくせに。
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