偽物の恋をきみにあげる【完】
私にとっては本日2食目のカレーを、大雅は「うんまー!」とややオーバー過ぎるくらいのリアクションで大喜びした。

そういえば、コイツは中学の頃もカレーが大好物だった気がする。

当時よりもかなり背が伸びて、もともと整ってた顔は間違って成長することなく、とんでもないイケメンになった。

でも、あの頃と変わらない無邪気な笑顔でカレーを食べる大雅を見て、私は何故か、すごくホッとしたのだった。

それにしても、どうして2食連続カレーを食べる羽目に?

いや、作った量を考えると、2食どころかきっと明日の朝もカレーだ。

「おかわり」

あっという間に空になった皿を、満面の笑みで差し出す大雅。

カレー三昧もまあいいかと思っていたら、

「もし明日、世界が終わるとしたらさ」

「え?」

彼が不意にそんなことを言い出して、皿を受け取った私の手が、そのまま宙で止まった。

『世界が終わるとしたら』

瞬間的に思い出してしまったのは、いつかのコタローくんとの会話。

と言っても、あれは「あと半年」だが。

そういえばコタローくんは、どうして半年だなんて期限を付けたのだろうか?

あの時は、小説の話をしていたから気にしなかったが、何か特別な理由でも……

「明日で世界が終わるなら、俺は瑠奈のカレーが食べたいな」

大雅の一言で、あれこれと考えていた頭の中が真っ白になった。
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