偽物の恋をきみにあげる【完】
……それにしても。

本当に何故、こんな話になったのだろう。

さっぱり思い出せない。

『 もし…………たら……俺…………れる?』

あの時大雅は、なんて言ったのだろう。

俺と恋人ゴッコしてくれる?

ひょっとすると、そう言ったのかもしれない。

だとしたら、言い出しっぺは大雅?

もし~たら? ……もし……なんだろう。

『もしも半年後に世界が終わるなら』

……いや違う、これはコタローくんが言ったのだ。

そういえばコタローくんに、どうして半年の期限付きなのか、すっかり聞き忘れたままだ。


ブーン、ブーン……

テーブルの上のスマホが振動した。

そっか、もう11時。

のんびり考え事をし過ぎてしまったようだ。

私は慌ててパソコンの前に移動した。

『つーちゃん、こんばんは』

「コタローくん、こんばんは」

『明日から連休ですねー。イブだしどこか出かけたりするんですか?』

「うん、ちょろっとね」

恋人同士なのに、なんだかおかしな会話だ。

コタローくんとの関係も、恋人ゴッコなのかもしれない。

絶対に好きだと言ってくれない大雅。

たくさん好きだと言ってくれるけれど、傍にいないコタローくん。

結局2人共、私に偽物の恋しかくれない。
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