偽物の恋をきみにあげる【完】
『あ、竜馬がゆくで思い出したんですが、お正月に、坂本龍馬に宛てた年賀状のニュースやってましたね』

「坂本龍馬宛ての年賀状?」

『ええ。専用の年賀ハガキに書いて出すと、桂浜の龍馬像に届けられるってものです』

「へえ、素敵^^ ……昔サンタさんに手紙書いたの思い出すな」

確か「おうちでパン屋さん」的なオモチャがどうしても欲しくて、手紙を書いて枕元に置いて寝たのだ。

翌朝、枕元にあったプレゼントは「まきまき手巻き寿司」とかいう、類似品と呼ぶには渋すぎるオモチャだったが。

『へえ。サンタに手紙ですか! つーちゃん、なかなか可愛いことしますねえ』

「昔の話だよ/// でも、届かない誰かに年賀状とか手紙とか、そういうのいいよね」

『ええ、ロマンチックですよね。届かない手紙』

「そういえば」

届かない手紙という単語を見て、ふとほろ苦い思い出が蘇った。

「私、初恋の人にラブレター書いたことある。出さない前提で」

『えっほんとに!? いじらし過ぎます(≧∇≦)』

書いたのは高校1年の時だ。

引っ越して大雅に会えなくなり、想いが募り過ぎた私は、出す勇気もないくせに、つい恋文なんぞをしたためたのだ。

ちなみに、あまりの恥ずかしさとイタさに、すぐにビリビリ破り捨てた。
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