偽物の恋をきみにあげる【完】
「あはは、恥ずかしい(笑) コタローくんは? ある?」

『僕はありませんよ。でも』

コタローくんは、一呼吸置いた。

「でも?」

『もし想いを文字にするなら、ラブレターじゃなくて物語を書くかな』

「物語? 小説ってこと?」

『ええ。愛する人に捧げる、彼女のためだけの物語。……って、なにこれ、クサいですね 』

「ううん、ロマンチック! ……ね、いつか私のために書いてくれる?」

『ええ、いつかきっと(*^^*) 』

すごく嬉しかった。

でも……。

いつか、とはいつなのだろう。

私達は、半年という期限付きの恋人なのだ。

……そもそも、どういう理由で半年なのだろう。

「コタローくん、急に話変わるけど」

『はい。なんですか?』

「私達って、半年間限定の恋人なんだよね?」

私が尋ねると、少し間が空いた。

この間には、未だに慣れることができない。

SNS特有の、相手が見えない故の不安。

『そうですね』

いざ返事が返ってきたら、言葉の裏にある心情が読み取れなくて、余計に不安になった。

「どうして、半年なの?」

それでも迷った末に訊いてみれば、

『それはまだ秘密でーす。そのうちね♪』

やけに軽い調子で返事が来たので、私は少し安心して、それ以上尋ねなかった。
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