偽物の恋をきみにあげる【完】
パソコンの前に座り込み、コメントの件をウミちゃんに愚痴っていたら、テーブルの上でスマホが音を立てた。

『ごめん、今日ムリっぽい(T_T) 』

大雅からだった。

「りょーかーい」

手早く送信して、フロアラグの上にぽいっと投げる。

あーあ、今日は朝から気が滅入ってたから、余計に会いたかったのに。

そう溜め息をついたら、ラグの上でまたスマホがブーンブーンと低く音を立てた。

『明日は行けるようにする!』

「え、無理しなくていいよ。 忙しいんでしょ?」

本当は会いたいのに、そんな返事を返す。

素直に「会いたい」と言えたら、どんなに楽だろうか。

でもそれを口にしたら、きっと私は、気持ちを全部伝えてしまうに違いない。

だから言わない。

『いや、明日は絶対行く! 俺がもう限界!』

「限界? 下半身が?笑」

『お前はバカか(;´Д`) 』

「は? なんで」

『会いたくてたまんないの!』

……またですか。

コイツは一体どういうつもりなのだろう。

本気になってはいけないルールなのに、落としに来ているとしか思えない。

まあ、とっくに落ちているけれど。

「何それ、私にホレちゃった?笑」

冗談めかして送ると、すぐに返事が来た。
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