無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
もしやーー
アレクシスは立ち上がり大空を我が物のように飛ぶ鳥を見据え、大きく息を吸い込んだ。
「ーーヴォルフ!!」
すると、遠目から見ても大きかったその鳥がスピードを緩めることなく降りてくる。
その場を動かずにいると鳥が地上に降り立ち、両翼合わせて三メートルにはなろうその翼を数回羽ばたかせてしまった。
やっと呼んだか。と言ったような佇まいに思わず顔がひきつりかけたのが嫌でもわかった。
「……お前が、ヴォルフか?」
問いかけると、そうだと言わんばかりに一鳴きする。
世界最大の鳥、猛禽類のコンドルこそがティアナが示した“彼”だと誰が思うのか……。
アレクシスはその場に座ると頭を俯かせ大きく息をついた。
王宮中探しても見つからないわけだ、“彼”は上空にいたのだから。
暫くして顔を上げると、早く用件を言え。と言わんばかりの眼差しに、お前、可愛くないな……。と思わず呟いてしまった。
しかし、人間でもないヴォルフに一体どうやってティアナの安否を訊ねるのかと思案していると、ヴォルフが左足を地面に叩きつけている。
注意深く見ているとそこに筒がついていて、中には真っ白な紙とペンが入っていた。
「なるほど……」
一人頷くと入っていた紙にペンを走らせ、再びその紙を筒の中に入れる。
「頼んだぞ、ヴォルフ」
少し離れてそう言えば、ヴォルフは大きく翼を広げフライハイト国の方角へ飛び立っていった。
アレクシスは立ち上がり大空を我が物のように飛ぶ鳥を見据え、大きく息を吸い込んだ。
「ーーヴォルフ!!」
すると、遠目から見ても大きかったその鳥がスピードを緩めることなく降りてくる。
その場を動かずにいると鳥が地上に降り立ち、両翼合わせて三メートルにはなろうその翼を数回羽ばたかせてしまった。
やっと呼んだか。と言ったような佇まいに思わず顔がひきつりかけたのが嫌でもわかった。
「……お前が、ヴォルフか?」
問いかけると、そうだと言わんばかりに一鳴きする。
世界最大の鳥、猛禽類のコンドルこそがティアナが示した“彼”だと誰が思うのか……。
アレクシスはその場に座ると頭を俯かせ大きく息をついた。
王宮中探しても見つからないわけだ、“彼”は上空にいたのだから。
暫くして顔を上げると、早く用件を言え。と言わんばかりの眼差しに、お前、可愛くないな……。と思わず呟いてしまった。
しかし、人間でもないヴォルフに一体どうやってティアナの安否を訊ねるのかと思案していると、ヴォルフが左足を地面に叩きつけている。
注意深く見ているとそこに筒がついていて、中には真っ白な紙とペンが入っていた。
「なるほど……」
一人頷くと入っていた紙にペンを走らせ、再びその紙を筒の中に入れる。
「頼んだぞ、ヴォルフ」
少し離れてそう言えば、ヴォルフは大きく翼を広げフライハイト国の方角へ飛び立っていった。