あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「澪がそんな突然告白なんてしようと思えないのはわかる。これが澪にとって初めての恋だから余計ね。だけど考えてみて、告白しないで後悔しない?次前を見れる?」

「莉子・・・」


莉子はずっと中学の頃から私を支えてくれた。大事なところで引いてしまうのは私の悪い癖、それもよく理解してくれている。#も三年間で私のことをわかってくれているけれど、莉子はさらにその上だ。
私の知らない私もよくわかっていると思う。


ーーーいわないと後悔する

莉子のいうとおり、きっとこのまま終わるのはこの先の私にとってもよくない。
すぐにきりをつけられない私だから、大学生になっても後悔するだろう。
そんな人を好きになる人なんていないだろう。私も誰かを好きになんてなれない。
いつまでも前に進めないまま・・・


「そうだよね、勇気を出さなくちゃ」

「その意気よ澪、私も莉子も応援してるから!」

愛の言葉に莉子も頷いてくれる。

結果はきっと玉砕。告白が成功する確率はゼロパーセントに近い。
だけど伝えるだけ伝えようかな。


そのあと解散するまでの一時間、私たちは理想の恋人像やデートに行きたい場所について盛り上がった。
人生で初めて積極的に会話をした恋バナ。好きな人がいる上での恋バナはとても楽しかった。
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