この恋の終わりは

「…今日、仕事が早く終わったので
ショッピングに行ったんです。」


私の言葉に、
グラスを拭く手を止め
体をこちらに向け、耳を傾けてくれた。


「そこで…見たんです。
小川さん、彼女さんが
いらっしゃったんですね。」


私の言葉に
池上さんは”やっぱり”
というような表情を浮かべた。


さっきあれだけ泣いたというのに
まだ溢れようとする涙を
必死に抑えながら話した。


「私、バカですよね…。
池上さんは忠告してくれたのに
それを聞かずに小川さんを…」


”好き”になっていた。
自分でも信じられないほどに。


こんなに胸がときめいたのは初めてで、
その鳴りやまない鼓動を
止める事が出来なかった。
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