スイート ジャッジメント 番外編
「あいつ、とわと居るとばっかみたいによく笑って、ヘラヘラしてるから。あいつのあんな顔、私だって初めて見たんだから。
誰がなんて言おうと、桜庭はとわが好きなの。大事なのは、桜庭本人の気持ちでしょ?
あんなやっかみ気にしちゃダメ。とわは桜庭の彼女なんだから、堂々としてなさい。そんな顔でもどったら、桜庭に心配されて、もっとべったりくっつかれちゃう」
そんな顔、そう言われた自分の頬を両手で包む。
「次、武田のクラスとやるんだし、とわ居ないと桜庭不機嫌になるから早く戻んないと」
「……うん」
体育館まで、なるべく嫌な事を思い出さないように心がけながら、ゆっくり歩く。
「そう言えば、武田と中学から一緒なんだよね?」
「うん。中1からずっと同じクラスだったの」
「え、5年間ずっと?」
「うん、今年初めて違うクラスになったよ」
私の答えに「あぁ……」とちぃちゃんは声を漏らした。
「なんか分かったわ。武田はシスコン兄貴の心境なわけね」
「え? シスコンって……?」
問い返した私にちぃちゃんは「だって……」と笑う。