スイート ジャッジメント 番外編
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体育館に戻ると湊の姿は見当たらなかった。美久ちゃんからも友達のサッカーの試合を観てくる旨のメッセージが届いていた。
ステージにいた武田やサッカー部の男子やちぃちゃんと話しながら居ると、頭の上に手を置かれて上からのしかかられた。湊も似たようなことを良くしてくるけれど、違う。見えないけれど何となく感じる、湊とはどこか違う気配。
誰? と身体が無意識のうちに硬直した。
ちぃちゃんや武田が別段変わった反応を見せない辺り、サッカー部の誰かなのは確かなのだけど、湊以外の人にされるのは嫌だし、少し怖い。
「まぁ確かに、程よい高さか?」
頭の上から聞こえてきた声は湊の声よりも幾分低い声。
「圭吾やめて。とわ怖がってる」
ちぃちゃんが窘めるとふっと頭の上の重さが無くなった。
「桜庭は?」
ちぃちゃんの傍らに居るその人は、サッカー部の元キャプテンで、エースアタッカーで、……ちぃちゃんの彼氏の吉沢くん。