スイート ジャッジメント 番外編

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 準決勝にもなると当たり前だけど、自分の競技は終わってフリーになっている人が格段に増えているわけで……。しみじみと上を見上げてしまう。

 今までの試合ではほとんど人のいなかった2階の窓際の通路にまで女子生徒が溢れていた。体育祭の運営を取り仕切っている体育委員会が、注意喚起のアナウンスを流しているけれど、賑やかな彼女達にどのくらい届いているのかは謎だ。

「……何がそんなに見たいんだかね?」

 ちぃちゃんが理解しかねると滲み出た口調で言うと「そりゃ桜庭《イケメン》見に来てんじゃね?」と林くんが軽く返す。

「桜庭がとわと居るの見たくないなら、くだ巻いてないで、今日は桜庭見るの諦めりゃいいのよ。あいつ、徹底的にとわから離れないんだから」

 まぁ、教室でも離れないけどさ? と些か乱暴な主張をちぃちゃんが零す。

「どうした? 茅ヶ崎。変なのでも湧いてたか?」

 聞き返したのは、実原くんだ。

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