スイート ジャッジメント 番外編
「なんでとわに着けるの? って聞いたら、景品だからって返ってきたんだけど、とわ、なんの景品なの?」
「景品なんかじゃ、ないと思うんだけど……」
「桜庭、瀬川さんが武田と登校して来んのが不満なんだって。だから、勝ったら瀬川さんと一緒に登校するの辞めろって」
林くんが笑いながら若菜に教える。
「えぇー……そんなこと? またしょうもない事で……」
「ねぇ若菜、武田と結局どうなってるの? 付き合わないの?」
最近、若菜は武田のことを名前で呼んでいるし、武田も同じで、この通り仲が良いのは一目瞭然だ。だけど、付き合っているとは、聞いていない。
「え? んー……そんなじゃないかな。仲は、悪くないけど。好きは好きでもそういう好きとはちょっと違うのかも……」
「うわー。それ武田聞いたら凹むんじゃない?」
苦笑いして言ったのは、若菜と同じクラスの八代くん。人が多すぎて私の居場所が判らず、八代くんにここまで連れてきてもらったらしい。