スイート ジャッジメント 番外編

「そんなことないよ。あっちもそう思ってるよ。多分」

「そうかなぁ……。でもあいつ遠藤さんと瀬川さんしか仲良くしてる女子居ないけど」

「仲良いのと、付き合うのは別かなぁって最近思って。だから、多分翔太とは付き合わないかなぁ……」

「マジで？ 仲良くなきゃ付き合えなくない？」

「それはそうだけどさ。とわと桜庭くんみたいな仲の良さには、到底ならないんだよね」

　若菜の答えに林くんが失笑して、若菜に聞こえないような声で「武田の奴、不憫だな」と呟いた。私もそう思う。

「いや、そこと比較したら大概の奴ら付き合ってることになんないから。ぶっちゃけ桜庭ウザすぎて、そのうち瀬川さんに鬱陶しがられるんじゃないかって心配になるレベルだから」

　そんな失笑必須の八代くんの言葉を受けて林くんが苦笑いして、私に小声で聞いてくる。

「実際どうなの？ 桜庭、うざくない？ 大丈夫？」

「んーと……、近い内に節度とTPOって言う単語を教えようと思ってるよ」

　林くんは私の答えに喉を鳴らして笑う。

「それ超大事。早急に教えてやって」