溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
個人事務所の域を越えるな。

アシスタント二人増えたら逆に仕事増えそうなんだけど、、、

それは言わないでおこう。

「九条さん、独立するみたいですよ。新見さんも引き抜いて。」

「は?なに、それ本当?」

黙々と作業していた梶谷さんが、こそこそと耳打ちしてきた。

っていうかさ、あなたは一体何者か。

情報入るのは東雲さんの分だけじゃないってさ。

「本当ですよ。もう新しい事務所も確保して、着々と準備進めてるみたい。」

「どこからそんな情報?」

「聞こえたんですよ。私、地獄耳なので。」

「あー、そういうことね。」

「ちなみに新しいアシスタントは誰だと思います?」

「なに、知ってる人?」

「東雲さんがよーく知ってる人ですよ。」

「え?」

「アメリカから東雲さんを追いかけて来たみたいで、アシスタントもその人のたっての希望らしくて。」

いやいや、それ大丈夫かなー。

変な揉め事とか、プライベート持ち込んだりしないならいいけど。

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