もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
『大丈夫だって、そんなのあいつにやらせとけば』
その時点で少し意外だった。
男に絡まれていることに慣れてそうだったから、平気で蹴散らすだろうと思っていたからだ。
『ひとりだと大変なんで、あの』
『何のために俺がわざわざ来たと思ってんだよ』
さらには泣きそうな顔もしている。
さすがの俺も、明らかに不利な唯香を黙って見過ごせるわけもなく、助けてやった。
『大丈夫か?』
先輩が図書室からいなくなったのを確認して、唯香にまた声をかければ、一瞬驚いた顔をしたが。
すぐに笑顔になった唯香。
『ごめん……大丈夫、助けてくれてありがとう』
それも、下手くそな作り笑い。