もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「いつか襲うぞって言った」
「なっ……!」
お、襲うって。
なんてことを言うんだ、健斗は。
「明日試合は朝?」
「うん、午前中には絶対終わるって」
「じゃあ午後は、俺の部屋から一歩も出さないからな」
「か、帰れないじゃんか!」
「バカか、帰るまでって話。それとも泊まってくか?」
意味深に笑う健斗に嫌な予感がして、首を何度も横に振った。
「あっ、でも朝早いからまた寝ちゃうかも」
この間、健斗の家に行った時も寝不足だった理由もあり、寝てしまったのだ。
「まあ、寝ててもいいけどな」
「いいの?」
「好き放題できるし」
「……?」
健斗、実はひとりで過ごしたいのかな、なんて思いつつ、私は曖昧に頷いた。