もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
だけどこういう時に限って、唯香は俺の手を離そうとせず。
結局手を繋いだまま、一階の体育館までやってきた。
「光原先輩!」
さらに唯香は、早速先輩の名前を呼んだ。
「……唯香ちゃん」
唯香に名前を呼ばれ、やってきた先輩は噂通り女にモテそうな整った顔をしていて。
さらに優しい雰囲気を漂わせており、唯香の名前を馴れ馴れしく呼んだ。
「来てくれたんだ」
嬉しそうな顔。
もしそれが作っていたとしても、腹が立つ。
「はい!光原先輩、かっこよかったです!」
「ははっ、それ彼氏がいる前で言っていいの?」
唯香の言葉に、先輩は笑う。