もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「あっ、終わったよ……もー、最後観れてな……って、健斗!勝ったよ!勝った!」
ようやく、このイライラから解放される。
そう思っていたら、試合結果を観て唯香が突然立ち上がり出した。
そのまま手を繋がれている恥ずかしさを忘れ、俺の手を引っ張ってくる。
「ほら、行こ!
光原先輩におめでとうって言わないと!」
なんで、こういう時だけ。
イライラから解放されると思ったのに、唯香はまたそういうことを言う。
「終わったから帰る」
「ダーメ、健斗もお疲れ様って言うの!」
なんで見ず知らずの相手に対し、俺も言わなきゃならねぇんだ。