もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



「なぁ、唯香」


すると、沈黙を破るようにして、隣の棚にいる健斗が口を開いた。


「……どうしたの?」
「ずっと思ってたんだけどさ」


なんだか遠回しに話す健斗に違和感を感じつつ、次の言葉を待つ。

声ははっきりと聞こえるけれど、健斗の表情が見えないから、何を言われるのかわからなくて少し怖かった。


「唯香は、男に絡まれるの嫌なんだよな?」
「えっ、いきなり何?」


質問の真意がわからなくて、やっぱり健斗の様子が違うことに気がついた。


「素朴な疑問」
「絶対何かあるでしょ?」

不自然に思ったから、健斗のいる隣の棚に移動するけれど、彼は特に表情を変えていない様子だった。

< 33 / 269 >

この作品をシェア

pagetop