もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「なぁ、唯香」
すると、沈黙を破るようにして、隣の棚にいる健斗が口を開いた。
「……どうしたの?」
「ずっと思ってたんだけどさ」
なんだか遠回しに話す健斗に違和感を感じつつ、次の言葉を待つ。
声ははっきりと聞こえるけれど、健斗の表情が見えないから、何を言われるのかわからなくて少し怖かった。
「唯香は、男に絡まれるの嫌なんだよな?」
「えっ、いきなり何?」
質問の真意がわからなくて、やっぱり健斗の様子が違うことに気がついた。
「素朴な疑問」
「絶対何かあるでしょ?」
不自然に思ったから、健斗のいる隣の棚に移動するけれど、彼は特に表情を変えていない様子だった。