もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「……健斗?」
驚きの行動に、私は彼の名前を呼ぶことしかできなくて。
今、私は健斗の腕の中にいて……。
「……っ」
そう考えた瞬間、顔が熱くなって、ドキドキと胸がうるさくなる。
私にしては重大なことだった。
健斗に抱きしめられている、だなんて。
「あ、あの……健斗、いきなり何して」
「唯香」
焦る私を落ち着かせるようにして、健斗が私の名前を静かな声で呼んだ。
それに従うようにして、私はゆっくり顔を上げると、真剣な表情である健斗が視界に映った。
今までで一番近いんじゃないかってくらい、ふたりの距離はほぼゼロに近くて。
私が背伸びをすれば、きっと健斗とキスできてしまうくらい……って、何考えているんだ!