もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜


私は先輩の優しさに甘え、お礼を言ってからペットボトルを受け取り、水を飲む。

冷たいものが喉を通り、さらに楽になった気がした。


「今日、たまたま朝練なくてさ。
タイミング良かったな」

「えっ……」
「じゃないと君、あのまま倒れてたかもしれないから」


先輩はそう言って、笑う。
穏やかで優しい笑み。

健斗とはまた違ったかっこよさが、先輩にはあった。


「すいません……今日、実は寝不足で」
「寝不足……それなら保健室で少し寝たほうがいいかもしれないね」

「いや、もう今のでだいぶ楽になったんで……!
本当にありがとうございました」


そこまで心配されると、なんだか申し訳なくなり、頭を下げる。

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