もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「俺はそこまで何もしてないから。
でも、無理はしたらダメだよ?」
「気をつけます!」
私がお礼を言ったところで電車がやってきた。
その電車は、先ほどより空いており、満員電車ってほどではなく。
ふたりとも、なんとなく流れで同じ車両に乗った。
「君って、2年生だよね」
「……はい、そうです」
まさか先輩に存在を認知されているとは思っておらず、驚きを隠せない私。
だって2年でも有名なバスケ部のキャプテンなのだ。
「君って3年でも有名だから」
私が驚いた表情をしていたからだろう、先輩がどうして知っているのかを答えてくれた……けれど。