思いは海の底に沈む【完】
「湊くん、本気だったの?」

『俺、いつでも本気だったんだけどなー』

「前々からろくでもない彼女だから別れなよって言ってるんだけどね」







乙羽さん、凛花さんと3人でお食事をするのが当たり前になってきた


撮影が終わると凛花さんに誘われて凛花さんがあらかじめ乙羽さんを呼んでくれているから安定のメンバーになりつつある





今の話題は共演してるときに凛花さんが首筋になにか紅い点みたいなのを発見してそれがキスマークだと教わった

っていうか、美代子さんに初めてキスマーク付けられた







「だって、キスマークですよ?」

『り、凛花さん!』

「それでいて彼女は今日も別の男の所か。湊くんって心が広いの?」

『俺がろくでもない男だってだけですよ
彼女の一人もずっと側にいさせないなんて』

「凛花なら湊くんとずーっと離れないよ?どう?愛人でもいいからぁ!」

『凛花さんは素敵な女性なんだから愛人だなんて、勿体無いですよ』

「じゃあ湊くんの本命になるぅ~」

『お断りします』

「でも、ずっと付き合ってたのに何で今なのかしらね」

『え?』

「あー。そうですよね。あ、わかった!
凛花と仲良いから牽制してるのかな?なーんて!」

『牽制!?』

「そうだよ!共演するのは誰でもいいけどぉ彼女はこの私なんだからね!みたいな?」

『いや、だって本命がいるのに…』

「え!?浮気?湊くんも悪いオトコー!」

『ちが!ほ、本命は視聴者のファン達ですよって意味で…』




牽制…。そういえば前に柊さんと疑似デートしたときも
なんか首筋に痛みが走ったな…。あれ、何だったんだろ?
しかも、あなたは私のものですって台詞、なかなか良かった。ドラマで使えないかな

って、柊さんの話じゃなくて美代子さんだよね



そんなことするわけないよね。
もうすでに俺は美代子さんのなのに牽制する必要なんて、権利なんてないよね?

それに、イタズラだとしても何で今なんだろう



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