思いは海の底に沈む【完】
『って話そらさないで!美代子さんは!?って今暴露したから一緒か。調べたの?』

「調べられませんでした。あなたは表向きはどう見ても白です。
若が感づいていたのにも関わらずお嬢様に言わなかったのはあなたが無害だからでしょう」

『え!?感づいたの知ってたの!?』

「お嬢様は最後まで気がつきませんでしたが。白石の件といいあなたは大した役者根性です」

『待って待って!じゃあ今までの女装は!?』

「あ、あれは湊が可愛いからつい意地悪をしまいました。でも、本当に女の子として可愛かったですよ」


柊さんに頭を撫でられて照れる
俺、やっぱり女の子でいたかったんだ


『そ、そんなこと言われたの初めてだよ。
…乙羽さんもこんな辛い気持ち、抱えてたのかな』

「お嬢様も若に本当の事を言えるまで時間がかかりましたから」

『だから言わなきゃわかんないって言ったんだね
柊さんの言ってることは合ってるの。柊さんのせいで演技が出来なくなった
俺は、頭では男でいなくちゃって思ってたけど無意識に女でいることを選んでいた


俺は…

柊さんが好き』



…今までこんな気持ち、味わったことなかった
涙が出るほどこんなに胸が苦しくて、一緒にいるだけで安らぐ


「…湊。私も伝えたいことが」






prr…




会話の途中、電話が鳴る


その瞬間、甘いような空間が途切れた

そして背中に嫌な汗が流れる




『ごめん。電話出ていい?多分病院から』

「…はい」





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