狼を甘くするためのレシピ〜*
 氷室家はひと言で言って力がある家だ。

 青扇に通う学生にも一目置かれている存在のため、媚びてくる生徒は多かった。

 表向きでは警備会社などいくつもの会社を経営しているが、奥底で繋がっている裏社会にも顔が効く。仁の父の血を分けた兄弟がそっちの社会のトップにいるというだけで、顔が効くとは言っても、実際には何かがあるわけではない。
 だが噂が噂を呼び、そういうことになっている。

 いずれにしろそんなこともあって、氷室仁は一目置かれる立場にいた。

 当然、すり寄ってこようとする者は少なくない。
 仁からすれば何の用も無い奴らに限って、自分か寄って来た。女は特にそうだった。

 でも、蘭々は違った。

 むしろ彼女の場合は、学園内でも目立つ存在の生徒に近づかないようにしているようにみえた。
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