狼を甘くするためのレシピ〜*
蘭々が望む通り、学園内でひっそりと過ごせているなら、声をかけたりはしなかっただろう。
でも悲しいことに、そんな大輪の花の気持ちを慮る性格のいい生徒たちばかりではない。
ある日、高校一年の春。
ろくでもない上級生男子たちが、蘭々にちょっかいを出そうと悪巧みをしている場面に出くわした。
『あの部屋なら教師も誰も来ないんじゃないのか』
『どうやって呼び出す?』
『そうだなぁ』
彼らが上級生であることにスズメの涙ほどの敬意を払い、殴りはしなかった。
だが、ひとりずつ襟首を掴み、クラスと名前を言わせた。
それだけで、脅しは十分だったが、仁の隣にいた西園寺洸も黙っていなかった。
『僕は、親の権威を借りるのは好きじゃないんですよ、センパイ。
でも、彼女に何かあったら、僕は西園寺の力をもってあなた達を地の果てまでも追いかけます、絶対にね。忘れないでください』
洸はそう言うと、念を押すようにひとりずつ指をさしながら、上級生の名前を言った。
青くなって彼らが逃げるようにその場を去ると、洸が呟いた。
『蘭々は、簡単に手折られちゃいけない宝石だ』
でも悲しいことに、そんな大輪の花の気持ちを慮る性格のいい生徒たちばかりではない。
ある日、高校一年の春。
ろくでもない上級生男子たちが、蘭々にちょっかいを出そうと悪巧みをしている場面に出くわした。
『あの部屋なら教師も誰も来ないんじゃないのか』
『どうやって呼び出す?』
『そうだなぁ』
彼らが上級生であることにスズメの涙ほどの敬意を払い、殴りはしなかった。
だが、ひとりずつ襟首を掴み、クラスと名前を言わせた。
それだけで、脅しは十分だったが、仁の隣にいた西園寺洸も黙っていなかった。
『僕は、親の権威を借りるのは好きじゃないんですよ、センパイ。
でも、彼女に何かあったら、僕は西園寺の力をもってあなた達を地の果てまでも追いかけます、絶対にね。忘れないでください』
洸はそう言うと、念を押すようにひとりずつ指をさしながら、上級生の名前を言った。
青くなって彼らが逃げるようにその場を去ると、洸が呟いた。
『蘭々は、簡単に手折られちゃいけない宝石だ』