狼を甘くするためのレシピ〜*
 その理由はなにか。

 鈴木が考えるに、社長である径生の魅力によるものが大きいに違いなかった。

「そういやお前、よくあいつの妹に手を出せたな。崇られるぞ」

 径生がまた洸にちょっかいを出しはじめた。

「やかましい。なんだその下品な言い方は。落ち武者め、お前もいい加減まともになれ」

「なんだよ、まともって」

 相変わらずふざけあっているこのふたりだが、西園寺洸にしろ源径生にしろ、どちらもカリスマ性を備えた経営者であることは周知の事実である。

 人々を惹きつけながら、本人たちには気負いのようなものはない。
 そんなところもまた、人々を魅了してやまないのだろう。

 そう思いながら、鈴木はふたりの話に笑っていた。
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